福島と共に「復興五輪」

2020年東京五輪・パラリンピックを、東日本大震災の被災地と共に開催する「復興五輪」へ――。都議会公明党(長橋桂一幹事長)は22日、福島県の県営あづま総合体育館(福島市)で開催された「東京2020ライブサイト in 2016」を視察するとともに、県庁を訪れ、今後の支援について内堀雅雄知事と意見を交わした。

2020年競技開催を被災地でも

「ライブサイト」は、五輪・パラリンピックの感動と興奮を多くの都民や東日本大震災の被災者と分かち合えるよう、都議会公明党が議会質問などで推進してきたもの。

リオデジャネイロ五輪の期間中、都内と被災3県で開催され、競技大会の生中継のほか、アスリートやお笑い芸人などによるショー、地元の団体によるステージなどが披露された。

この日、会場を訪れていた市内在住の鈴木浩理さんは「多くの人と、五輪の感動を共有できたことに感謝しています」と話していた。

ライブサイトは、9月8日(日本時間)からのリオデジャネイロ・パラリンピックの期間中も開かれる。今回の実施内容を踏まえ、東京五輪・パラリンピックでも、同様の形で開催される予定だ。

東村邦浩都議は「4年後の本番に向けて、ライブサイトを、より良いものにできるよう後押ししたい」と決意を語った。

その後一行は、県庁で内堀知事に会い、今後の都の支援策などについて意見を交換した。

内堀知事から要望を受ける都議会公明党のメンバーら内堀知事は、間もなく震災から2000日となることに触れ、これまで都が福島県を継続して支援してきたことへの謝意を表明。その上で、東京五輪について「多くの県民が笑顔で(選手を)応援できることが復興五輪につながる」と述べ、復興をさらに前進させると決意を表明した。

また内堀知事は、観光客数は少しずつ持ち直しているものの「今なお(県外からの)教育旅行は震災前の半分以下」と説明。人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」を制作したガイナックスの子会社「福島ガイナックス」が運営する「空想とアートのミュージアム 福島さくら遊学舎」や、放射線の研究・学習施設として7月に全面オープンした県環境創造センター(同県三春町)などを紹介し、「都の小・中学生にも来ていただきたい」と要望した。

東村都議は「都でできることがあれば、しっかり応援していく」と語り、被災地での五輪競技開催にも触れ「(五輪種目に復活した)野球は、ぜひ福島で実施できるよう尽力したい」と述べた。

視察には、公明党の松葉多美子、栗林のり子、斉藤泰宏の各都議のほか、伊藤達也・福島県議が同行した。

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