ペットと共に豊かな生活

東京都議会公明党は19日、神奈川県横須賀市にある特別養護老人ホーム「さくらの里山科」を視察し、同施設が取り組む「伴侶動物福祉」について、若山三千彦施設長ら関係者と意見を交わした。これには、松葉多美子、高倉良生の両副幹事長と、上野和彦、栗林のり子、斉藤泰宏の各議員が参加した。

運営する社会福祉法人「心の会」では、一緒に暮らす犬や猫をコンパニオンアニマル(伴侶動物)と捉え、伴侶動物福祉を、人と一体的に命と豊かな生活を守るための福祉分野と定義し、高齢者福祉や障がい者福祉と並ぶ“第3の柱”として取り組んでいる。

一行は、利用者が犬や猫と暮らしている全国でも珍しい特養ホームの施設内を見学した。

4階建の同施設は、定員100人で完全個室のユニットケア型。利用者が飼っていたペットや、ボランティア団体を経由して保健所から引き取った犬や猫が、2階フロアにある専用のユニット内で利用者と共に暮らしている。

意見交換の席上、若山施設長は「在宅介護に携わっている中で、ペットを亡くして生きる気力をなくす高齢者が多くいた」とし、一方で、介護が必要になりペットを保健所へ送らざるを得ない事例が増えてきたことも指摘した。「ペットと暮らすことが高齢者にとっても生きがいとなり、身体機能の向上や認知症予防にもつながる効果が見られる」と強調した。

高倉副幹事長らは、「体力の衰えや、病気で動物を飼いたくても管理できなくなる高齢者も増えている。伴侶動物福祉の考え方は、高齢者にとっても動物保護の観点からも重要だ」と語り、普及啓発へ後押ししていく考えを示した。

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