全小・中学校(公立)の校庭を芝生に

東京都が10年後を展望/新たな緑を1000ヘクタール創出/屋上・壁面緑化、公園整備など

「1000ヘクタールの緑を新たに生み出す」――東京都は、昨年12月にまとめた「10年後の東京」と題する構想でこのように発表した。緑あふれる都市を目指して、(1)校庭の芝生化(約300ヘクタール)(2)建物の屋上や壁面、駐車場などの緑化(約400ヘクタール)(3)都市公園の整備や水辺空間の緑化(約300ヘクタール)――などを掲げ、深刻化する地球の温暖化やヒートアイランド対策を進める。

東京都議会公明党の小磯善彦・副政調会長と中山信行、松葉多美子の各議員は先ごろ、東京都心部における緑化への取り組みや課題を探るため、目黒区立下目黒小学校、二番町ガーデン(千代田区)、丸の内オアゾ(同)、ルミネ北千住店(足立区)などを訪れ、校庭の芝生化や屋上・壁面緑化の現場を視察した。

下目黒小学校は、2005年度の都のモデル事業として校庭が全面芝生化された。校庭に出た一行に、学校関係者らは「校庭が芝生になって、子どもたちは、はだしで駆け回ったり、寝ころんだり、遊び方が変わり、体の動かし方が活発になった」と、芝生が温暖化対策はもとより、子どもの育ちの環境としても歓迎されている様子を語っていた。

校庭の芝生化について「10年後の東京」では、10年間で都内すべての小・中学校や都立学校などで実施する方針を打ち出している。

都はすでに05年度、モデル事業として都内15区1市、計27校で校庭の芝生化を展開。07年度には、公立小・中学校70校、都立高校と養護学校で3校の計73校で実施する方針で、今後、継続事業として順次拡大していく。

都によると、校庭の芝生化に掛かる初期費用は、1校当たり2000万~3000万円程度で、都はその2分の1を補助する。ただ、地域ぐるみで維持・管理する体制が整っている場合は初期費用の全額を都が補助するとして、地域における環境への意識啓発などの効果も狙っている。

校庭の芝生化のほか、都は05年4月にヒートアイランド対策推進エリアを定め、屋上や壁面の緑化など各種事業も集中的に推進している。

さらに06年度から実施しているクールルーフ推進事業は、クールルーフ推進協議会に参画している千代田、中央、港、新宿、台東、品川、目黒の7区において、屋上緑化や高反射率塗料を実施する事業者に対して、費用の2分の1を補助するもので、すでに約40件の補助金交付を決定している。

これまで都議会公明党は、都市や地球の温暖化対策に全力で取り組んできた。04年9月の定例会代表質問では、友利春久議員が屋上や壁面の緑化とともに校庭の芝生化を提唱するなど、具体的に推進してきた。

(公明新聞2007年1月18日)

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