女性の視点で防災推進
公明党女性防災会議(松あきら議長=参院議員)は29日、衆院第2議員会館で初会合を開き、東日本大震災を教訓とした防災事例や課題を通し、女性の視点に立った防災対策の推進について活発に意見を交わした。松議長のほか古屋範子、池坊保子、高木美智代の各衆院議員や、山本香苗、竹谷とし子の両参院議員(いずれも副議長)、同会議メンバーである松葉多美子東京都本部女性局長など首都圏の女性議員が参加した。
同会議は、震災から5カ月を経て、既存の防災対策を女性の視点で見直すとともに、新たな対策を検討するため、党女性委員会(古屋委員長)のもとに18日に設置された。
冒頭、松議長は、公明党が政府に対して延べ13回、610項目にわたる政策提言・要望を行ったことなどを通し、「国を動かし国民生活を守ることを使命に、震災対応に全力を挙げてきた」と強調。「女性の党として、災害時の女性の果たす役割や女性を守る防災対策をしっかり議論し、政策提言していきたい」と訴えた。
意見交換では今後の取り組みとして、全国の地方議員と連携し、女性の視点に立った防災対策総点検活動を実施するほか、蓄電池を備えた太陽光発電設備などの視察や、専門家のヒアリングを行っていくことなどを決定。
また、震災後、被災地のみならず各地で行われている防災会議において、女性の参画が少なく、女性目線の施策が取り入れられないことが多いため、「国でも地方でも、女性目線を大事にする防災会議のあり方が必要だ」との意見で一致した。
さらに、高齢者や障がい者など災害弱者に対するきめ細かな対応や、自助、公助、共助の観点に基づく具体的な防災計画の重要性が議論されたほか、学校施設の耐震化については、地域の避難所となる体育館の耐震化が遅れている事例が紹介され、「文部科学省の予算などではなく、緊急対策費としてしっかり対応できる予算確保が重要だ」などの意見が出された。