議員報酬 20%削減
議員報酬削減など東京都議会公明党が他党に先駆けて提唱した「身を切る改革」を具体化する関連条例が22日、都議会第1回定例会の本会議で採決され、全会一致で可決、成立した。
今回、成立した条例は、都政や都議会への不信が高まる中で、信頼を回復し都政改革を進めるため、まず議員自らが「身を切る改革」を断行するもの。昨年11月に公表された都議会公明党の改革案に沿った内容になっている。
条例の柱は、(1)議員報酬の20%削減(2017年4月から1年間)(2)議員1人当たり月額60万円の政務活動費を10万円削減し50万円に減額、収支報告書と領収書の写しのインターネット上での全面公開(3)本会議や委員会などに出席するたびに定額支給されている費用弁償の廃止(島部在住の議員のみ交通費と宿泊費の実費を支給)――など。
また、同日開かれた議会運営委員会理事会では、都議会公明党の主張を受け、都議会議員表彰内規の改正も決定した。この改正で在職25年および30年の議員への記念章や記念品の授与を廃止し、在職30年に達した議員の肖像画を議事堂内に掲示する制度をなくす。
都政改革へ突破口開く
都議会公明党の東村くにひろ幹事長(都議選予定候補=八王子市)は22日、議員報酬の20%削減などが盛り込まれた関連条例の成立を受け、談話を発表した。
本日、公明党が提唱した「身を切る改革」を具体化する関連条例が、全会一致で可決、成立しました。都議会公明党は昨年10月に「都政改革推進プロジェクトチーム」(まつば多美子座長、都議選予定候補=杉並区)を発足させ、党内議論を重ね、議員報酬20%削減、政務活動費の減額・全面公開などを柱とする改革案を取りまとめ、超党派で構成する「都議会のあり方検討会」で提唱する予定でした。ところが、他会派からの反発に遭い、同検討会に提案すらできない状況になりました。
一方、「政治とカネ」を巡る問題で都知事が2代続けて辞任し、豊洲問題では都民の血税から追加的な支出を余儀なくされる不手際も重なり、都政に対する不信感は高まる一方です。こうした中にあって都議会公明党は、都議自ら襟を正して都政改革に取り組む覚悟を示さなければ、都民の信頼回復は困難であると判断。独自に本会議に提案し、成立させる道を切り開く闘いに挑んできました。最終的に本日の本会議で全会一致で可決されたことは、都政改革へ第一歩を踏み出すものであり、都議会の良識を示す結果であると思います。
豊洲めぐり百条委設置
東京都議会は22日の本会議で、豊洲(江東区)への市場移転を巡る一連の問題について、地方自治法100条に基づく強い調査権限を持つ調査特別委員会(百条委員会)を設置することを全会一致で可決した。都議会での設置は12年ぶり。
同日、発足した百条委は23人で構成。公明党から谷村たかひこ議員(都議選予定候補=北多摩1区)が副委員長、上野和彦議員(同=江戸川区)が理事となり、のがみ純子(同=葛飾区)、小林けんじ(同=練馬区)の両議員が委員となった。
豊洲市場を巡っては、土壌汚染対策の盛り土が主な建物下で行われていなかったことが昨年9月に判明。石原慎太郎元知事の下で決定した移転の経緯についても、真相究明の必要があることから、百条委では築地(中央区)から豊洲への市場移転を決めた経緯、市場用地の取得交渉や土地売買の内容、盛り土が行われなかった経緯などを審議する。
昨年10月に設置された豊洲市場移転問題特別委員会は今後、所定の手続きを経た上で廃止される。一方、豊洲市場における食の安全・安心の確保に向けた対策に関しては、常任委員会の経済・港湾委員会で審議する。