食肉市場でBSE(牛海綿状脳症)対策調査

米国産牛肉の輸入再開など業界団体と意見交換
都議会公明党

BSE(牛海綿状脳症)発生により輸入が禁止されている米国とカナダ産牛肉の輸入再開が検討されていることを受け、東京都議会公明党(石井義修幹事長)は4日、東京・港区にある都中央卸売市場の食肉市場を訪れ、「食の安全」対策について調査活動を行った。石川芳昭副団長のほか、東村邦浩、吉倉正美、上野和彦、橘正剛、高倉良生、中山信行、大松成、伊藤興一、松葉多美子の各議員が参加した。

一行はまず、同卸売市場の森澤正範市場長らと懇談した。冒頭、石川副団長は「しっかり視察させていただき、来年度予算に成果を反映していきたい」とあいさつ。森澤市場長は食肉市場の年別取扱量や処理頭数、食肉の流通経路などを述べるとともに、「ここの食肉市場が全国の建値市場としての機能も有している」と強調した。また、全頭検査の徹底などBSE対策への取り組みや衛生管理体制について、くわしく紹介した。

続いて一行は、牛・豚を解体し枝肉などを生産する食肉処理場を訪れ、BSE感染で危険性が指摘される牛の脳、脊髄、目、小腸先端部(特定危険部位)の除去作業などを視察。トレーサビリティー制度(生産流通情報把握システム)に基づく牛の個体識別番号なども確認した。さらに、卸売業者がセリなどで枝肉を売る「市場」、枝肉を保存する冷蔵庫、仲卸業者施設などを見て回った。

最後に一行は、業界団体の責任者と活発に意見交換。公明側は、輸入再開による食肉市場の影響や臭気の防止など近隣地域への配慮、食肉処理場で働く人の労働環境などについて質問。社団法人東京食肉市場協会の寺内正光会長は、輸入再開の影響について「和牛と輸入牛の販路はすみ分けができているが、相場はいくらか下がるだろう」との見通しを示した。

また寺内会長は、老朽化が著しい市場棟内の仲卸業者施設に触れ、安全・安心の食肉を安定的に提供する観点から、衛生対策工事の早期実施を要望した。

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