視覚障がい者にとって、鉄道駅のホームを歩くことは命懸け。“欄干のない橋”を渡るに等しい。視覚障がい者でなくとも、転落のリスクが伴う。ホームドアがあれば事故は防げる。だが、多額の整備費用など課題が多かった。
命を守る安全対策として早期に整備を――。都議会公明党が粘り強く訴え続け、都は2011年度から、ホームドア整備への補助を試行的に実施。14年には利用者1日10万人以上の駅を対象に、区市町村の負担分(3分の1)の半分を都が補助する事業が始まった。
見落とされていた“当事者の視点”を取り上げたのも公明都議だった。娘が通う盲学校の最寄り駅について「特急が通過するから危なくて仕方がない」と訴える母親の声から、17年に都議会で「盲学校の最寄り駅などに優先的に設置すべきだ」と提案。20年度からは、利用者10万人未満でも特別支援学校の最寄り駅は都の補助対象になった。
現在、設置率は都営地下鉄で100%を達成。JR・私鉄は約40%まで伸びた。「より踏み込んだ支援が不可欠」と都議会公明党が訴えたことを受け、都は今年度から制度を大きく拡充。補助対象を広げ、区市町村の負担分を都が全て肩代わりすることとしている。
2025/06/04 3面 公明新聞