都が「スマホ教室」を実施

スマホ教室でもっと身近に
高齢者に端末貸し出し — 2021年度から 情報格差解消へ新事業

都議会公明党が提案

インターネットを活用できるかどうかで情報格差(デジタルディバイド)が生じないよう、東京都は2021年度から、高齢者を対象としたスマートフォン(スマホ)利用の普及啓発事業として「スマホ教室」を実施する。都議会公明党はこれまで、議会質問を通じて、デジタル化の流れに高齢者が取り残されないよう、一貫して対策を求めてきた。

区市町村や自治会の開催も補助

東京都の「スマホ教室」は、通信事業者と連携して開催する。このほか、区市町村や町会・自治会などが独自に開くスマホ教室についても都が費用を補助し、スマホに触れることで身近に感じてもらう機会の増加につなげる。

都のスマホ教室への参加費は、無料。基本操作のほか、各種証明書の請求など行政手続きをスマホで行う方法も教える。さらに、スマホ教室の参加者で希望する人がいれば、スマホを1カ月程度貸し出し、操作に慣れてもらう。

また、鉄道駅や大型商業施設にブースを設け、スマホの「出張相談会」を実施。端末機能の説明や、設定に関する相談に専門のスタッフが無料で応じる。

このほか、高齢者向けに、スマホの活用で生活がより便利になることを紹介したリーフレットも作成。自治会や老人クラブを通じて配布する。

都の担当者は、「コロナ禍で急速にデジタル化が進む中、高齢者がこの流れに取り残されないよう、支援していきたい」と話す。

民間調査会社が60~79歳の男女1万人を対象に昨年実施した調査の結果によると、モバイル端末の所有率は9割を超えており、そのうちスマホ所有率は77%だった。一方、「ガラケー」などの旧式端末を持つ人の半数以上がスマホへの乗り換えを検討していない。

コロナ禍によって生活のさまざな場面で非接触・非対面が進む中、東京都は行政サービス向上の観点などから、各種手続きのデジタル化を進めている。そこで、高齢者へのスマホ普及が大きな課題となっている。

都議会公明党は、行政のデジタル化で高齢者が不便を感じないよう、情報格差の解消を一貫して推進してきた。2020年12月の一般質問では、スマホ端末の貸し出しや講習会の実施を提案していたほか、先月の代表質問では、身近な場所で端末に触れる機会を増やすよう対策を求めていた。

(2021年3月8日 公明新聞 2面)
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