帰宅困難者対策 提言を申し入れ

公明党女性防災会議の松あきら議長(副代表)と東京、茨城、埼玉、千葉、神奈川5都県の党女性局長らは21日、首相官邸で藤村修官房長官に会い、女性の視点を生かした首都直下地震における帰宅困難者対策の提言書を手渡した。同会議副議長の池坊保子、高木美智代、古屋範子の各衆院議員、竹谷とし子参院議員らが同席した。

この提言は、5都県の公明党女性地方議員らが数回にわたって「帰宅困難者対策に関する首都圏女性議員連絡協議会」(松葉多美子代表世話人=都議)を開き、検討を重ねてきたもので、女性支援のほか、子ども、高齢者、障がい者といった災害時要援護者への支援充実などが柱。

席上、松議長は、公明党が他党に先駆けて女性防災会議を立ち上げたことを紹介し、「全国に約900人いる女性議員が皆、心を一つに奮闘している」と強調。

その上で、(1)緊急連絡先や必要な支援内容を記載した「ヘルプカード」の障がい者らへの普及推進(2)トイレや水道水、災害情報などを提供する「帰宅支援ステーション」を表すマークの統一(3)震災時、小さな子どもや介護の必要な高齢者が学校や施設にいる場合の保護体制整備―などを求めた。

藤村官房長官は「非常に具体的で分かりやすい提言」と述べた上で「私の方からも、きちっと指示をして(内閣府と都でつくる首都直下地震帰宅困難者等対策協議会の)参考にしたい」と答えた。

提言ではこのほか、首都直下地震が起きた際に想定される帰宅困難者発生人数の最新データ公表や、「大地震後には、むやみに移動しない」という基本原則の周知徹底を提案。また、帰宅困難者発生時の災害救助法の適用要件を明確化することや、2次被害防止へ災害時要援護者をバスなどで優先的に搬送するためのガイドライン(指針)の策定など、きめ細かな対策を要請している。

さらに、一時滞在施設などでの防犯対策強化や、首都直下地震のみならず、あらゆる地震を想定した帰宅困難者対策なども求めている。

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