【水害対策】善福寺川・神田川に調節池を整備

国内最大の地下調節池

近年、度重なる集中豪雨に見舞われる東京都。首都の地下では国内最大規模の調節池「環状七号線地下広域調節池」の整備が加速している。

調節池とは、増水した河川の水を一時的に貯留することができる施設のこと。環状七号線地下広域調節池は、白子川、石神井川、妙正寺川、善福寺川、神田川の5河川にまたがる形で整備される。

現在工事が進むのは、石神井川と妙正寺川を結ぶ延長5・4キロの区間。内径12・5メートル、地下トンネル式の新たな調節池として2027年度末の使用開始をめざす。

この前後には、すでに稼働している「白子川地下調節池」と「神田川・環状七号線地下調節池」がある。これらを連結して地下河川化する計画で、完成すれば総延長は13・1キロに達し、小学校のプール約4800杯分に相当する143万立方メートルの水をためることができる。将来的にはさらに延伸し、東京湾へ放流できるようにする構想だ。

都内では、1時間に50ミリを超える降雨が頻発している。建物や舗装された道路が多い都市部などでは集まった雨水が下水道に入りきらず、排水が追い付かなくなる恐れがあるとされている。

1時間に100ミリの雨量にも効果

環状七号線地下広域調節池の特長は、各河川と接続した取水施設を通じて下流の河川の流量を減らせる点だ。流域間で調節池の貯留量を相互に融通することで、1時間に最大100ミリの局地的かつ短時間の集中豪雨にも高い効果を発揮すると期待されている。

都は23年に始動した「TOKYO強靱化プロジェクト」の柱の一つとして調節池の整備推進を位置付けるなど、年々激甚化する水害への対策に注力してきた。

現在、都内13河川で29の調節池(計268万立方メートル)を稼働させており、環状七号線地下広域調節池を含め8カ所で調節池の整備を進めている。

都の豪雨対策を一貫してリードしてきたのが、都議会公明党だ。議会質問などを通じて取り組みを強化するよう主張。21年の都議選重点政策「チャレンジ8」では、環状七号線地下広域調節池をはじめとする新たな調節池などの整備を掲げ、都に訴えてきた。

5月30日付公明新聞

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